RatNikki

気まぐれにラット達との日々を。

リップ

馬鹿な飼い主のせいで、私のせいでリップが亡くなりました。

二度とこのようなことが起きぬよう、忘れぬよう、記します。

 

2019年11月7日朝10時頃、皆をサークル内で散歩させていました。

新しくサークルにガードを取り付けたばかりだったので、リップはサークルから脱走することは出来ませんでした。

サークル内で遊ばせている最中にケージの掃除を済ませているのですが、掃除途中でリップがサークルから出たがっていたので、「呼べばこの子は戻ってくるから」という安易な理由でサークル外へ出して少しだけ遊ばせようとしたのです。

これが大きな間違いでした。

そもそも、戻ってくるから、というだけで危険なサークル外へ出してはいけなかった。

今はコードを齧らなくてもいつかは齧るかもしれない。何か危険な物を齧って病気になるかもしれない。物が落ちてきて怪我するかもしれない。挟まって動けなくなるかもしれない。

ただただ、サークル外で楽し気に走り回っている彼女が見たい、ぐらいの軽い気持ちで彼女だけをサークルから出したんです。

暫くケージの掃除をして、途中でふと、サークル外から物音がしないことに気付き、どこにいったのか探し始めました。

少し前にアルミラックあたりに向かっていたのを見かけたので、アルミラックに載せていた物(引き出しとして使用)を少し引き出していたので戻し、リップを探す。

なんでこんなことしたんだろう。

アルミラックの網目に挟まっていた状態に気づかず、引き出しで押してしまった。

アルミラックと引き出しに挟まれてしまった。

上から覗いてすぐに気づいて、大焦りで物をどかしてリップを取り出して。もう、全身動けなかった。私の手の中で力なくだらんとして。

胸に耳を当てると心臓の音が聞こえた気がした。恐らく聞こえていたと思う。わからない。

ただただパニックになりつつ病院に電話した。もう気が動転していて、まるで運動直後かのように口で息をしながら泣きながら電話して。電話を取った病院の方に何度も落ち着いて、と言われたけれど、落ち着いてなんかいられなかった。

掃除途中のケージにトイレと水とご飯を突っ込み、他の4匹に入ってもらってすぐにリップを病院へ車を走らせた。

幸か不幸か、1車線の道路で前は50キロのトラックだったので猛スピードで走ることは出来なかった。

病院までは30分かかる。

道中ずっと声をかけ続けた。

お願い死なないで、お願い、ごめんね、全部私のせいだよ、あなたは悪くない、だからこんなところで死なないでお願いお願いお願いだよ、死なないでよ、全部私のせいなの、馬鹿な飼い主のせい、私の寿命だってなんだってあげるから、お願い死なないで…

信号で止まる度に心臓の場所をトントンと何度もたたいた。

過度に体を動かさないように何度も体をなでた。

何度も手足を握った。

病院が近づくにつれ、体も手足も冷えてきているように感じた。

信じたくなかった。片手ハンドルで必死でもう片方の手で手足体を温めた。

病院について、入口前に車を止めて走りドアをあけ泣きながら「電話した○○です!!!早くこの子を!!!」ととにかく叫んだ。きっと周りの客は驚いていたと思う。

すぐに緊急治療に入った。私も同席した。

治療室に入る直前に看護師さんにも先生にも「まだ死んでないですよね!?生きてますよね!?」と喉奥から絞り出すように必死に聞いたけど、誰も答えは言わなかった。

ネズミには大きい酸素マスクで酸素供給されながら、先生が心臓マッサージをした。

心電計が不規則な音を出す。心臓が動いていない。

最近の心電計って喋るんですね。はっきりとは覚えてないが「心音が不規則です」とか言うんですよ。

そのうち、「心停止しました」っていうんです。

その後も少しだけマッサージは続けてくれましたが、やはり「心停止しました」

その音声だけでもう絶望で。目の前が真っ暗だとか真っ白だとか、こういうことを言うんだって。目の前どころか頭も一瞬でまっさらになって。

言われましたよ。先生に。「残念ですが…もう死後硬直が始まっています」って

移動中の車内で薄々気づいてはいた。少しずつ手足が冷たくなって、柔らかかった手も少しずつ固くなってきていたことに。きっともう止まっていたんだって。だけど、信じたくなくて。少しでも希望があるならと病院に駆け込んだ。でも、駄目だった。

馬鹿な飼い主のせいで。

暫く個室で2人きりにしてくれた。リップを抱きながらごめんね、ごめんね、必死に謝った。こんなこと許されることではないし、許してもらおうとも思ってはいないけれども。

緊急治療費を支払って。看護師さんが気遣って裏口から帰してくれた。

車内でも泣き続けて、運転なんて出来なかった。

いつまでもここにいても仕方がないとなんとか割り切って、30分後にゆっくりと車を出した。

助手席には動かないリップを乗せて。

ゆっくりと帰宅し、4匹にリップを見せた。皆匂いを嗅いで、動かない様子に不思議そうだった。

唯一、姉妹のラップだけがずっと毛繕いをして、どうして動かないの?という風に見えてしまって。

その後何をしたらいいかどうしたらいいかわからなくなって、泣きながら親友に電話をして経緯を話した。

とにかく全部私のせいだと言ったら、あまり自分を責めないでと言ってくれた。

でも、本当に私のせいなのだから、そんなことは到底出来ない。

とにかく話を聞いてもらった礼を言って電話を切った。

毎日一緒に遊んでくれる母にはLINEで文章で連絡した。

母が帰ってくるまで、何もできずに何時間も泣きながら動けずにいた。

罪悪感で押しつぶされそうだった。人類全て滅亡しても、自分だけになっても生きたいとすら今まで思っていたのに、初めて心の底から「死にたい」と思った。

罪が償えるわけではないけれど、私も死んでしまいたいと思った。

何の罪もない、病気でもなんでもない、まだまだ生きていけるいきものを、毎日愛したこの手で殺めてしまった罪悪感が、そういう気持ちにさせた。

残った4匹をもっと大切に、幸せにしてやらねば、他に誰がするんだ。その気持ちだけで自殺だけは留まったけれど。リップ1匹だけしか一緒に暮らしていなかったら…その時はわからない。

 

母が帰宅して、経緯を全て話した。きっと言われると思っていたけど、やはりサークル外へ出したことは責められた。本当に私は大馬鹿者だ。

以前愛犬を火葬してもらった所に予約を取って、母の運転で一緒に火葬に行った。

事前に持って行ったごはん、おやつと、母が買ってきてくれた花を一緒に入れた。

頭と頬と体にキスをして。撫でて。謝って。お別れをした。

愛犬が火葬された窯に、リップが入っていく。

昨日まで元気だった。今朝も。でも、これから骨になる。

待っている間はすごく時間が長く感じた。きっと20分ぐらいだったと思う。

正直、骨を見るのが怖かった。

私のせいで骨折をしていたかもしれないから。

でも、骨は全体的にすこし崩れていて、わからなかった。もしかしたら折れていたから崩れたのかもしれない。わからなかった。

小さな小さな骨壺に入れられて、一緒に自宅へ帰った。

もう二度と、こんなことは起こさない。

お散歩は安全を確保できるサークル内だけ。

もし脱走したら絶対に物は動かさない。

そもそも脱走させないよう徹底する。

 

ごめんね、リップ。

沢山の癒しをありがとう。

本当にごめんね

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2019年11月7日 リップ 永眠